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【十五日目】伊丹市立美術館「ゴヤ、理性の眠り」展に行ってきました!

こんにちは。

今回は美術館に行ってきたよ!という内容です。場所は兵庫県伊丹市立美術館

http://artmuseum-itami.jp/)です。

開催中の「ゴヤ、理性の眠り “ロス・カプリチョス”にみる奇想と創意」展に行ってきました(長い名前 笑)。

 

本当は会場の写真を撮って載せたかったのですが、写真撮影禁止だったので文でお伝えします。しかし、なんで日本の美術館は写真撮影禁止が多いのか……フラッシュさえ気を付ければそんなに問題はないと思いますし、これだけインスタ映えやらフォトジェニックやらが流行っている世の中なら、むしろ撮影してもらってどんどん情報を広めていってもらったほうが集客につながるように思います。

 

で、どんな展覧会だったかと言いますと、有名なスペインの画家ゴヤの風刺版画の展示でした。タイトルにもなっている「ロス・カプリチョス」とは、版画集の名前のことみたいですね。私は真っ先にカプリチョーザを想像しましたけど(笑)

ゴヤといえば昨年話題になった「怖い絵」展のように、おどろおどろしい人間の内面を時にグロテスクに、時にユーモラスに描いた画家というイメージがありますが、18世紀の封建的な絵画制度に反発してしばしば風刺的な作品を手掛けていたそうです。展覧会タイトルに「理性の眠り」とあるように、18世紀のヨーロッパは啓蒙思想が流行っていた時代。カントが『純粋理性批判』を書いたように、理性を正しく用いることが真に自律した人間たる証である、とされていた時代です。このような時代の影響か、ゴヤの「ロス・カプリチョス」も、迷信や時代遅れな因習にしがみつく民衆や、理性に反して悪徳をむさぼる為政者・貴族・聖職者を強烈に風刺する内容になっています。一方で、このような〈理性の眠り〉がゴヤの得意とする画風、すなわち奔放な想像力や奇天烈な空想を支えたとも言われますから、なかなかどうして面白いものです。

こういう点は時代こそ違いますが、ヒエロニムス・ボッシュを彷彿とさせますね。

 

絵には一つひとつ説明がつけられており、上記のような風刺画ですからそれほど予備知識がなくても楽しめるようになっていました。

あとは、展覧会の規模もちょうどよく、じっくり見ても小一時間程度でまわれたのが良かったですね!美術館の展示って、じっくり見ようとするとかなり疲れますから。規模の大きい展覧会だと、後半からだんだんしんどくなってきて「早く出て座りたい!」ってなっちゃうことがしばしば……本末転倒です(笑)

 

以下、印象にのこった作品をいくつか。

 

・4番《乳母っ子 El de la Rollona》

甘やかされたり放任気味に育てられた貴族の子供は、自分一人では何もできない人間に育つばかりか、高慢でいやしく、強情で怠け者とろくでもない大人になってしまう。

これ、現代でも当てはまりますね(笑)貴族じゃなくても、甘やかされてわがままになった人間というのはいつの時代も厄介者あつかいされるんですね。

 

・ 12番《歯を盗む A caze de dientes》

タイトルだけでは意味不明ですが、絞首台につるされた男の歯を盗もうとする若い女が描かれた絵です。なんでも当時、罪人の歯がまじないに効くという迷信があったそうで……女の表情が「いや~バッチイ!」みたいな、恐れ半分嫌悪半分ってところがいいですね。しかも直接死人の顔を見ないように布でマスク?しているという徹底さ。そんなにイヤならやめときなよ…あとその歯どう使うの?すりつぶして飲むとか?

 

・20番《むしり取られて追い出され Ya van desplumados》

19番、21番と連作っぽいのですが、これは娼婦の魅力に捕まった男たちが尻の毛までむしられる(笑)というド直球すぎる情景ですね。男たちが羽根をむしられたニワトリとして描かれているのがまた……(笑)貢ぐだけ貢がせて、用済みになったら邪険に追い出され、しかも梅毒のお土産付きとは。こういう身も蓋もない男女の事情は時代を超えていつも同じみたいです。

 

・37番《生徒のほうが物知りなのだろうか ¿Si sabra màs el discípulo?》

愚鈍なロバの先生が、生徒にひたすら「A」の文字だけを教えている。

教える側は盲目的に以前のやり方に従っているだけ、しかも意味のない詰め込み教育。これでは頭の柔軟な子供のほうがよっぽど「物を知っている」といえるのでは?しかし、当時から教育という概念がきちんとあったことが意外でした。子供には詰め込み式に教えるべきか、その発想力や想像力に任せるべきか…いまだに答えのない議論ですし、これからもきっと画一的な答えはでないでしょう。

 

・45番《たっぷり吸わなきゃ Mucho hay que chupar》

なんかエロい(笑)これも、あくどい女性が男性の金銭をすい尽くす様を描いたものです。ゴヤはミソジニストだったのか……?と疑ってしまうくらい、娼婦や魔女といった女性への風当たりがきついですね。自分もそういう目にあったのか?しかし、汚職する為政者や強欲な聖職者と並んで、男をたぶらかす悪女が当時の社会問題にもなっていたのかも。

 

・69番《それ吹け Sopla》

放屁をふいごに、って意味不明なんですが(白目)

 

とまあこんな感じで、いちいちツッコミを入れながらも楽しく見て回れます。12月24日までやっているようなので、気になった人はぜひ行ってみてはどうでしょう?