精神の煮こごり。

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【五十二日目】大学でチラシ集め

僕の通う大学には就職相談室がある。入口のドアの隣に長机が置かれていて、インターンシップや求人のチラシ、クリアファイルなどが並べられている。その隣を通り抜けようとしたとき、ふと一枚のチラシに目が留まった。博報堂プロダクツのインターン募集のチラシだった。

 

広告代理店でクリエイティブな仕事だからか、チラシもすごく凝っている。梨地の上質な紙にエンボスで文字が型押しされている。とても上品な手触りだ。文字のみで構成されたシンプルなタイポグラフィだけれど、人目を惹くデザイン。

広告代理店だけでなく、印刷会社なんかもパンフレットにはすごく意匠を凝らしている。僕が学部生のころ見かけた大日本印刷のパンフレットも美しかった。デザイン性の高さがそのまま仕事のイメージと直結するからだろうか。別に広告業界や印刷業界に関心はないのだけど、こういう良いデザインのパンフレットは思わず持って帰ってしまう。ファイリングしてときどき見返したり、一部を切り取って本の栞代わりに使うこともある。

 

僕がチラシやポスターのデザインに目を向けるようになったのは、デザイナーの人の仕事を間近で見たことがきっかけだ。以前、地方の美術館でインターンシップをしたことがある。ある時、新しい展覧会のパンフレットを作ることになり、担当の学芸員さんとデザイナーの人の打ち合わせに参加させてもらうことになった。そのときの二人の真剣さに圧倒された。フォントの大きさ、字体にこだわり、展覧会のテーマを端的に表すコピーを考え、図表のレイアウトをああでもないこうでもないと議論する。ほんの数センチ、文字や写真の配置を変えるだけで、紙面の印象は全く違ったものになる。美術館のチラシだから、遊び心を取り入れて凝ったデザインのものを作ることもある。観音開きの中央を台形に切り抜き、のぞき窓のように見立てたり、二枚折の手前の短編をあえて斜めにカットして写真をチラ見せしたり。紙自体も、和紙風のものや凸凹の押し加工がちりばめられているものなど、工夫したものを使用していた。こだわりをもってデザインを作っている人の姿を見て、ああ、僕が普段何気なく見過ごしているチラシやポスターができるまでには、こんな苦労があったのかと悟ったのだった。

 

それ以来、チラシやポスターに意識的に目を向けるようになった。電車の中吊りのコピーなんかも面白い。いかにして購買意欲をそそらせるか、関心を持たせるか、皆手を変え品を変え工夫しているのだ。そういう広告に踊らされることがバカらしいと思っていた時期もあるけれど、今はそういうところで気をひかれた商品をすっかり手に取るようになった自分がいる。