精神の煮こごり。

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【五十七日目】Amazonで本を注文したらオンデマンド印刷が届いた

けっこうAmazonでたくさん本を買ってきたが、こんなことは初めて。

 

えてしてマイナーな学術書というのはすぐ絶版になる。今年の7月ごろ、論文で必要になったとある本をアマゾンで買おうとしたのだけど、案の定マーケットプレイスにしかなかった。しかも定価より二割ほど高い。結局、大学の図書館にあったので借りて済ませた。

しかし、これがなかなか良い本だった。何度も参照するからなんとか手元に置いておきたい。ということで、ないだろうなー、さらに高くなってたら嫌だな~と思ってもう一度検索してみると……。新品で入荷している! びっくり。よろこび勇んで注文したのだ。

届いたので、さっそく袋から取り出す。最近のアマゾンは本をプチプチ付きの簡易包装で送ってくれるので段ボールがゴミにならなくていいね。

ピッと封を切って掴むと……もうこの時点で何か違う。図書館で借りた本はざらざらした感触の表紙だったのに、すごくツルツルしている。取り出してみてみると、なんとペーパーバックのような簡易製本の本が出てきた。え、なにこれは。

 

本を開いてさらに驚く。何度もコピーを繰り返した紙みたいに文字が薄くかすれているじゃないか!!なんだこれ!!

 

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一瞬パチモンかと思ったが、よくよく考えるとアリストテレスの著作の注釈書なんてどマイナーな本を偽物にする意味がわからない。奥付のさらに後ろを見ると、「本書はプリント・オンデマンド版です」と書いてあった。なんなんだオンデマンド版て。ソフトなやつしか知らんぞ。

 

ググってみると、注文後、即座に印刷して発行する少部数の簡易的な冊子を「プリント・オンデマンド(POD)」というらしい。いつのまにこんなサービスが始まっていたのか。確かに、注文後に生産する方法をとれば無駄な在庫も抱えなくて済む。今まではこんな小ロットでちまちま作る方式なんかとても採算がとれなかったのだろうが、アマゾンの資本力が可能にしたようだ。自社印刷所を持っているらしいし。

 

新時代の紙出版!? Amazonのプリント・オン・デマンドサービスとは – HONTENTS – Medium

 

注文してから一日で製本して届くのはすごい。めっちゃすごいんだけど、クオリティは……。昔、同人誌を作って印刷会社で簡易製本してもらったことがあるけど、それのほうがよっぽどしっかりした作りだったぞ。もっとも印刷前のデータの問題かもしれないけど。

 

ただ、一般の商業ルートに乗らない本、絶版本、希少本、専門書なんかをいつでも買えるようになったのは本当にすごいことだ。これまで自費出版なんて大枚はたいて全然売れないのが普通だったのに、電子書籍やPODなんかを使えば個人がいつでも本を出版できる時代になっている。出版のハードルが非常に下がってきている。

もっとも、学術書みたいなニッチな本の出版社をどんどん倒産させ、国内の本屋の需要を低下させている原因の一つであるアマゾンがこんなサービスを展開してきたのは皮肉でしかない。ますますアマゾン一強になってしまう。

あとは、出版が手軽になるのと引き換えに情報の信頼性も怪しくなってくる。従来の出版物であれば編集者のチェックが必ず入っていたので最低限の質は担保されていたけれど、編集者を通さず素人が本を出すと質の低いものがどんどん出てくるようになる。まさに電子書籍なんかがそういう状況で、素人の出したKindle本なんか「え、これで金とるの?」みたいなやつとかうさん臭い本なんかがごまんとある。玉石混合な情報がネット上はあふれかえっているが、遅かれ早かれ印刷物や本の世界もそんな風になっていくのかもしれない。